東京マンションリノベvol.1
新たに建築チームを組んで挑んだ、初の東京都内にあるマンション・フルリノベーションです。
この動画のマンションデータは「東京都品川区、築24年・約79㎡、2LDK」といった物件です。
実は私、本の出版依頼があった約1年前から、ちょくちょく東京にお邪魔しておりました。
その後、昨年9月辺りからぐっとYouTubeを通して問い合わせが増えた時期でもあります。
お問い合せは全国から寄せられていますが、大阪にある弊社のコンセプトハウスを見学に来られる視聴者の方々の多くは、関東(特に東京)からでした。
戸建ての建替や中古マンションのフルリノベを希望されているお客様の中には、「押村さんが建築してくれないなら、今のまま(中古物件のまま)暮らし続けるつもりです。」と仰る方もいらっしゃいます。
ありがたいお話ですが、関西圏外には行けないのでドコかで建ててもらってください!
とお断りする日々でした。
しかしながら、予想はしていました。
フィーリングや価値観の合う人に、熱い想いをぶつけられると‥やってしまうことを笑
とはいえ、一から工務店や職人、仕入れ先等々を開拓していくのは至難の業なんです。
でも避けては通れない。
数カ月かけて地道にチームを作っていきました。
これ、本当に大変なんです!
実際に現場を見せてもらって仕事っぷりを確認し、精査していく。
そしてお金の話しを詰めていく。
文字にするとたったの2行。
でもジュータクギャングをご覧になっている方なら分かりますよね?
仕事っぷりの良い職人や工務店がなごくごく僅かだということを。
実働させるまで、いや〜ほんとに大変でした。
追い打ちをかけて私の頭を悩ませたのは、見積もりです。
高い!
とにかく高い!!
何もかも大阪の1.5倍、いや、それでも足りない位ですかね。
数百万、数千万の1.5倍って‥どうなってんの?
経費を増やして、大阪から物も職人も運んだとしても全然安いんじゃないかな。
でもそこは頭を切り替えていかないと、関西における建築に支障をきたすことにもなります。
折れないハートでチャレンジあるのみ。
まさに足を棒にして駆けずり回って、着工からお引渡しまで漕ぎ着けました。
今回はそんな「東京リノベーション物語」の、記念すべき第一号動画となっております。
さて、今回のお客様。
当時はお仕事の関係で愛知県にお住まいでした。
東京に居を移すことが決まり、品川区に所有されていたマンションのリノベーションをご検討。
業者を選定すべく、数社お打ち合わせしている段階でお問い合わせくださいました。
ご要望を伺ったうえで、検討している他社の図面を見せてもらうことに。
私には希望が叶っていると感じたので、これで良いんじゃないですか?とお伝えしました。
ところがご本人的には不安を感じていらっしゃる。
「私たちの希望を“そのまま”カタチにしているだけ。本当に、家族にとって正しい間取りなのか?」
家族の希望を紐解いて、プロとしての提案が欲しい。
押村さん、力を貸してください。
そんな出会いと始まりでした。
閑静な住宅地にある、5階建ての低層マンション。
独立した角部屋のような物件で、窓が多く非常に明るい空間が特徴的でした。
窓が多いのは良いことですが、逆に邪魔をすることもあるので注意が必要です。
しかも階下がガレージスペースのため、底冷えのする寒さの解消が必要でした。
コンクリートに直張りの床から、断熱材を仕込んでから床を立ち上げる。
窓まわりは当然2重サッシです。
完成すると空気感が変わりとっても暖かくなりましたね。
2LDKを3LDKに変更し、玄関や廊下をあえて暗くプランニングすることで、LDKの明るさを強調した空間にしました。
全体にタイトなスペース割り当てとなったため、居室のドアに姿見を貼ったり、少しでも居住空間を侵さないようロールスクリーンやブラインドを多用する計画としました。
美しい空間づくりのために、エアコンは全て隠蔽配管に設計。
悪く言えば部屋を狭くして(壁厚をだして)配管を隠蔽したということ。
メリットは壁厚を出したことで、断熱材をパンパンに入れられたことです。
美しさと快適さを共存させなければ、私が設計する意味がありませんからね。
さらに、ドアの開閉向きや廊下幅など、着工してから何度も現場で微調整を指示。
変更変更を繰り返し、快適を追求しました。
このあたり、ほぼ現場で私が判断して「このように変更しておきました」とお客様に報告するだけです。
お互いに信頼関係ができていないと出来ませんね。
私がお客様とのフィーリングといっているのは、こういった信頼関係が築けそうかどうかということです。
開けて(解体して)びっくり「想定外」が頻繁に起こるリノベーションでは、建築しながら変更を繰り返していくので、信頼関係が非常に大事なポイントとなります。
フィーリングが合いそうなお客様へ。
乗りかかった船ですので、今後も東京ではマンションのフルリノベをやっていくつもりです。
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
戸建ての注文建築に関しては、1年以上前からお待ちいただいているお客様もいらっしゃいます。
戸建てはリノベーションと違い、もいっちょ越えないといけないハードルがありまして、もう少し時間が必要かと思います。
今後にご期待ください。
【新築住宅への想い、中古戸建て・マンションのリノベーションに関して】
私は新築戸建ての設計や建築を主としています。
理由は美しい街を創りたいたいから。
美しい街は資産価値と、それを守る住人の意識を生みます。
街や住人の意識や価値を一変させる思想で、メイクノスタルジーと命名しております。
日々楽しんで苦しんで命を削る思いで設計を繰り返し、
私の描いた設計図面があんなに大きくスケールアップしたお家に建ち上がる。
感動で心が震えます。
だからリフォームやリノベーションに興味があまりなかったんです。
ただ、知人や関係者からたっての要望があると見てみぬふりができず。
私が関わることで一人でも幸せな方が増えるのなら、という想いです。
マンションであれば一旦スケルトンにしてのフルリノベーションが、設計の醍醐味(暮らしの激変)を感じられます。
また、間取り制作や照明計画、外構工事、クロス選び、バックセット(カップボード)施工、玄関タイル等、部分的なリフォームもほぼ手掛けません。
リフォームでも、建築施工が絡む内容には設計が必要となります。
図面を起こしますと、コンセント・スイッチ・照明計画等の電気配線図の制作も重要なポイントとなります。
照明・電気計画が入りますと、「何を、どう照らすのか」といったインテリア計画(クロス、床材、天井材、家具、カーテン等)が本来必要となります。
図面を描いて、お客様が依頼されている工務店が着工しても「この図面通りには(技術力の差で)出来ません」というやり取りが始まってしまう。
そのような過去のほぼ全ての経験から、住宅の全ては連動した一気通貫の中で計画されるべき、という考えに至りました。
戸建てリノベーションを手掛けない理由として。
いわゆる「暮らしが変わらないリフォーム」しか出来ないことがほとんどだから。
抜けない構造材や、壁の中が想定外の造りになっているなど、表面上は綺麗にできるが暮らしは変わらない。
何より、元々の設計者の意図や意志が入ったお家(設計)にメスを入れるだけの修正作業は非常に苦しいですね。
手前勝手ではございますがご容赦いただけますと幸いです。
私はこの仕事に誇りをもっているので、昨今目にする機会が多い「志の無い」設計士に嘆いています。
しかしながら、そこに向き合うお客様が、より良く打ち合わせが進むようにも願っています。
そこで、ハウスメーカー(設計士)とお客様、双方の視点で解決策はないものかと考察しました。
自由設計!なんでも出来ます!何度でも図面作成OK!‥等々
私には「クレームから全力で逃げたい(だけ)」に見えます。
住宅業界の責任逃れ体質。
設計士の意識改革。
お客様の心構え。
私なりに様々な視点から、原因と対策を提案します。
照明計画でお伝えしたいこと。
それは、住宅の原案設計者にしか分からない意図があるということ。
様々な照明器具や建築化照明がありますが、本来の目的や意図と反して使用することもあります。
照明計画だけを別の設計士に依頼するのはナンセンスです。
照明と親和性を高めるべき項目にインテリアの計画があります。
住宅は奇をてらわず、シンプルに造ってインテリアで美しくまとめることが大切です。
暮らしの質はインテリアで左右され、人生を変える力もありますので、一度きりの真剣勝負で挑んでいただきたい。
根本的にインテリアの良し悪しは、住宅設計で決まります。
コーディネーターではなく、設計士の力量にかかっているということ。
インテリア、外構、全ては原案設計者が一気通貫でプランニングしないと良くなりません。
美しさも居心地もメンテナンス性も、全ては設計力です。
設計力や提案力に満足できないお悩みに対して。工務店や大手ハウスメーカーなど、耐震性や断熱性や機密性のスペックだけを売りにする住宅は、本当に私たちの求める住宅でしょうか?新製品やスペックにとらわれることなく、美しさと使い勝手を併せ持つ私のオリジナルな基準で住宅に関する情報を発信します。後悔の無い・失敗しない家づくりをするために、住宅設備の剪定、インテリアのコーディネート(クロス選び・建具選び・床材選び・カーテン・カーテンレール・家具配置)、照明計画(ダウンライト・間接照明、ペンダントライト)など、住宅設計の基礎となる考え方も参考にしていただければ幸いです。
@tomoyaoshimura1993
【チャプター】
00:00 告知
00:12 イントロ
00:36 オープニング
01:50 東京でのリノベーションをするキッカケ
07:16 物件データについて
11:07 玄関・トイレのご紹介
15:25 各居室のご紹介
21:57 洗面室・トイレのご紹介
26:08 KDLのご紹介
35:49 リノベーションの設計について
44:54 今回のプロジェクトで苦労したところ
49:28 エンディンング
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